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海猫たちの小夜曲
第8章 先生の異常な愛情① 船の男たち ‐遥の告白‐
この街のなかでは、知り合いに会う危険があるからやらない、と先生は言っていた。
隣町のラブホテルにでも連れていく気だろうか、と思っていたが、先生が車でわたしを連れてきたのは街の漁港だった。
先生は波止場の外れの1隻のプレジャーボートのまえに車を止めると、船の乗員と思しき男と、何やら話をし始めた。ボートの男は先生と何やら話しながらも、ちらちらとわたしを見てきて、わたしは車のシートに身を沈め、まるで露出狂のような自分の姿を隠していた。
しばらくして、話が終わった先生が車に戻ってきた。
「遥を、あの人たちに預けたい……行ってきてくれるかい?」
人たち、ということは、わたしの相手は一人ではないらしい。
けれど、もう、引き返せないのだ、とわたしは改めて自分に言い聞かせた。
わたしは、先生を、先生の歪んだ愛情を受け入れる、と決めたのだから。
わたしは小さく頷くと、先生に促されるまま、衣類とランチの入ったバッグを持って、車の外に出た。
隣町のラブホテルにでも連れていく気だろうか、と思っていたが、先生が車でわたしを連れてきたのは街の漁港だった。
先生は波止場の外れの1隻のプレジャーボートのまえに車を止めると、船の乗員と思しき男と、何やら話をし始めた。ボートの男は先生と何やら話しながらも、ちらちらとわたしを見てきて、わたしは車のシートに身を沈め、まるで露出狂のような自分の姿を隠していた。
しばらくして、話が終わった先生が車に戻ってきた。
「遥を、あの人たちに預けたい……行ってきてくれるかい?」
人たち、ということは、わたしの相手は一人ではないらしい。
けれど、もう、引き返せないのだ、とわたしは改めて自分に言い聞かせた。
わたしは、先生を、先生の歪んだ愛情を受け入れる、と決めたのだから。
わたしは小さく頷くと、先生に促されるまま、衣類とランチの入ったバッグを持って、車の外に出た。