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海猫たちの小夜曲
第3章 終わりなき凌辱 ~海色のグラスと小麦色の少女②~
 水着を着かえようとベッドから起きたあたしの後ろで、ゆっくりと部屋のドアの開く音がした。
 こんなに早く秀隆が帰ってきたのか、と、あたしは秀隆に犯される恐怖を感じて、後ろを振り返った。
 だけど、そこに立っていたのは秀隆ではなく、叔父だった。

 あたしは、ほっとして、胸をなで下ろす。
「いったい、どうしたんだい、望海? 部屋で水着姿になってるなんて。」
 叔父の言葉に、あたしはとっさにベッドの横にかけていたタオルで体を隠した。
「すっ、すいません、新しく買ったのを試しに着てみただけなんです。すぐに部屋着に着替えますから。」

 あたしはそう言って、叔父を部屋から追い出そうとしたが、叔父は、あたしの体を眺めたまま、動こうとしない。
「……望海もずいぶんと大人になったんだな。浩子さんの若いころにそっくりだ。」
 明らかにお酒の匂いをさせながら、叔父が、写真でしか記憶にないあたしの母の名を口にした。
「あの……叔父さん、着換えますから、部屋を……」
 あたしはそう言ったが、叔父は、なおもあたしの前から動こうとせず、お酒で赤くなった口元を歪ませて不気味な笑いを浮かべると、あたしの腕をつかんできた。

「わたしの前だからって、わざわざ着換えることはないよ。だって、望海はまだ、続きがしたいだろう? さっき、ベッドの上でしていたことの続きを……」
 叔父の言葉に、あたしは真っ赤になって叔父から顔を背けた。
 間違いなく、叔父は、わたしがオナニーしているところを覗いていたのだ。
「まあ、望海くらいの年の子なら、オナニーくらいするだろう。別に気にすることはない。だが、叔父さんとしては、望海がそれほど欲求不満なのかと心配になってねえ……」

 叔父は酒臭い息を吐きながら、あたしにネチネチとささやきかけてくる。
 あたしはもう恥ずかしさで顔をあげることも出来なかった。

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