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海猫たちの小夜曲
第2章 絶望の始まり ~海色のグラスと小麦色の少女①~
「よかったら、うちに来ないか? これからはうちのみんなが君の新しい家族になろう。」
 2年前、あたしを両親に代わって育ててくれていた祖母が亡くなり、身寄りのなくなったあたしを叔父夫婦はそう言って迎え入れてくれた。
 祖母が死んで、途方に暮れていたあたしにとって、叔父夫婦のその暖かい言葉はどれほど心強かったことか。
 なのに、なぜ、叔母は助けに来てくれないのだろう?
 あたしたちは、家族ではなかったのだろうか?
 この2年間、あたしが、新たな家族だと信じてきた叔父や叔母、そして、この1つ年上の従兄は一体、なんだったのだろう。
 あたしが家族だと信じていたものは、ただの幻想で、あたしは、獣欲をたぎらせた従兄の好餌でしかなかったのだろうか。

 やがて、抵抗する力を失ったあたしは、秀隆にのしかかられて、いいように秘部をいじり回され、乳房を舌で舐られた。
 文化系の部活で、運動もしていなくて、太ってたるんだ体をさらしている秀隆のどこに、これほどの力があるのかと思ったが、結果的に、あたしは非力な女で、腕力では男に適わないのだ、ということを思い知らされただけだった。
 いくらあたしが水泳部で鍛えていても、あたしは軟弱なはずの秀隆を払いのけることさえできなかった。
 
 秀隆は、息を荒げて、愛撫とも判りかねる余裕のない動きであたしの秘部を弄り、体ごとあたしを押さえつけ、音を立てて乳房を吸いあげていた。
 秀隆のその一連の所作は、あまりにもがさつで、落ち着きが無さすぎる。
 わたしと同じで、恐らくは秀隆も初めてなのだろう。
 だけど、恐怖とおぞましさで急速に冷えていく心とは対照的に、あたしの体は上気して、秘部は少しずつ濡れ始めていた。

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