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海猫たちの小夜曲
第3章 終わりなき凌辱 ~海色のグラスと小麦色の少女②~
金曜日の授業が終わり、あたしと遥は2人で帰り道を歩いていた。
あたしは例によってバイトに向かうところだったが、その日はたまたまプールの水の入れ替えで部活が休みの日だったので、あたしたちは途中まで二人で帰ることにしたのだった。
ずっと気分が落ち込んだままのあたしにとって、遥が相変わらず明るく話しかけてくれるのは唯一の救いだった。
あたしがひたすら暗くなっていても、その理由を詮索してくることもなく、普通に接してくれるのがありがたかった。
「ね、望海、新しい水着買ったんだよね? それなら、明日の夜にさ、やろうよ、例の水着勝負。先生の家で。」
悪戯っぽい口調でおどけながら、遥があたしをつついてきた。
だけど、あたしにはもう、先生に見せられる水着はなかった。
叔父の欲望に汚され尽くしたあんな水着を、先生の前に着ていきたくない。
「……ごめん、遥。その話、なかったことにして。第一、あたしなんかが遥に勝てるわけないよ。」
あたしは本当のことを隠して、愛想笑いを浮かべながら、遥に謝った。
「そんな、勝負って言ったって、ただの遊びだよ。そんなに構えなくてもいいってば。」
そう言って、遥はあたしに笑いかけたが、本当の理由なんか、遥に言えるわけがない。
「ごめん、やっぱり駄目なんだ。……本当にごめん。」
あたしはもう、ひたすら謝るしかしなかった。
「……わかったよ。けど、ここんとこ望海、全然元気ないよ。あんまり詮索するのは好きじゃないから、あえて聞かないけど、力になれることがあったら言ってよね。あたしと先生は、いつだって望海の味方のつもりだから。」
遥はそう言って、あたしの手を握った。
遥の白い奇麗な手からは、ほんのりと温かみが伝わってきて、あたしはともすれば、その温もりに甘えてしまいそうになった。
だけど、従兄に犯された挙句、写真で脅され、叔父にまで犯されていることなんか、どうして遥に話せるだろう。
少なくとも、あたしはそんなことに、遥や先生を巻き込みたくはない。
あたしは例によってバイトに向かうところだったが、その日はたまたまプールの水の入れ替えで部活が休みの日だったので、あたしたちは途中まで二人で帰ることにしたのだった。
ずっと気分が落ち込んだままのあたしにとって、遥が相変わらず明るく話しかけてくれるのは唯一の救いだった。
あたしがひたすら暗くなっていても、その理由を詮索してくることもなく、普通に接してくれるのがありがたかった。
「ね、望海、新しい水着買ったんだよね? それなら、明日の夜にさ、やろうよ、例の水着勝負。先生の家で。」
悪戯っぽい口調でおどけながら、遥があたしをつついてきた。
だけど、あたしにはもう、先生に見せられる水着はなかった。
叔父の欲望に汚され尽くしたあんな水着を、先生の前に着ていきたくない。
「……ごめん、遥。その話、なかったことにして。第一、あたしなんかが遥に勝てるわけないよ。」
あたしは本当のことを隠して、愛想笑いを浮かべながら、遥に謝った。
「そんな、勝負って言ったって、ただの遊びだよ。そんなに構えなくてもいいってば。」
そう言って、遥はあたしに笑いかけたが、本当の理由なんか、遥に言えるわけがない。
「ごめん、やっぱり駄目なんだ。……本当にごめん。」
あたしはもう、ひたすら謝るしかしなかった。
「……わかったよ。けど、ここんとこ望海、全然元気ないよ。あんまり詮索するのは好きじゃないから、あえて聞かないけど、力になれることがあったら言ってよね。あたしと先生は、いつだって望海の味方のつもりだから。」
遥はそう言って、あたしの手を握った。
遥の白い奇麗な手からは、ほんのりと温かみが伝わってきて、あたしはともすれば、その温もりに甘えてしまいそうになった。
だけど、従兄に犯された挙句、写真で脅され、叔父にまで犯されていることなんか、どうして遥に話せるだろう。
少なくとも、あたしはそんなことに、遥や先生を巻き込みたくはない。