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海猫たちの小夜曲
第4章 冷たい海 ~海色のグラスと小麦色の少女③~
もう、あたしは必死に押さえつけてきた自分の感情を押しとどめられなくなっていた。
「えぐっ……あっ、あたし……先生にもらった……グラス……宝物だったのに……ううっ……あのグラスのおかげで……殴られたり……犯されたりしても……耐えられたのに……。」
あたしはまともに言葉を紡ぐ余裕もなく、ただ、こみ上げてくる感情をそのまま吐き出し続ける。
先生は、あたしを抱きしめると、しゃくり上げる背中をさすり続けてくれた。
「何も考えなくていいよ……泣きたいだけ泣きなさい。」
背中をさすり上げる先生の手の温もりが、あたしの凍てついてやさぐれた心をゆっくりと溶かしていくようだった。
今、胸の中で温もりを分けてくれている人に、あたしは、自分の何もかもを預けてしまいたかった。
あたしなんかに「命を預ける」と、臆面もなく言ってくれた人に。
そして、あたしは泣きじゃくりながら、自分の全てを先生に話した。
身寄りが亡くなって、叔父の家に引き取られたこと。
従兄に犯されて、写真で脅され、毎夜のように犯され続けていること。
叔母に話を聞いてもらえないこと。
そして、叔父にまで殴られ、犯されたこと。
叔父に、バイトを辞めるように迫られて、ダイビングのインストラクターになるという夢までも閉ざされかけていること。
あたしは時間をかけて、隠すことなく自分のすべてを先生に告白した。
先生は、あたしの嗚咽混じりのたどたどしい告白を、急かすことも遮ることもなく黙って聞いてくれて、最後に一言だけ言ってくれた。
「……ずいぶんと辛い思いをしていたんだね。僕でよければ、力になるよ。」
その先生の言葉に、あたしはまた、涙がこみあげてきて、声をあげて泣いた。
「えぐっ……あっ、あたし……先生にもらった……グラス……宝物だったのに……ううっ……あのグラスのおかげで……殴られたり……犯されたりしても……耐えられたのに……。」
あたしはまともに言葉を紡ぐ余裕もなく、ただ、こみ上げてくる感情をそのまま吐き出し続ける。
先生は、あたしを抱きしめると、しゃくり上げる背中をさすり続けてくれた。
「何も考えなくていいよ……泣きたいだけ泣きなさい。」
背中をさすり上げる先生の手の温もりが、あたしの凍てついてやさぐれた心をゆっくりと溶かしていくようだった。
今、胸の中で温もりを分けてくれている人に、あたしは、自分の何もかもを預けてしまいたかった。
あたしなんかに「命を預ける」と、臆面もなく言ってくれた人に。
そして、あたしは泣きじゃくりながら、自分の全てを先生に話した。
身寄りが亡くなって、叔父の家に引き取られたこと。
従兄に犯されて、写真で脅され、毎夜のように犯され続けていること。
叔母に話を聞いてもらえないこと。
そして、叔父にまで殴られ、犯されたこと。
叔父に、バイトを辞めるように迫られて、ダイビングのインストラクターになるという夢までも閉ざされかけていること。
あたしは時間をかけて、隠すことなく自分のすべてを先生に告白した。
先生は、あたしの嗚咽混じりのたどたどしい告白を、急かすことも遮ることもなく黙って聞いてくれて、最後に一言だけ言ってくれた。
「……ずいぶんと辛い思いをしていたんだね。僕でよければ、力になるよ。」
その先生の言葉に、あたしはまた、涙がこみあげてきて、声をあげて泣いた。