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海猫たちの小夜曲
第4章 冷たい海 ~海色のグラスと小麦色の少女③~
あたしが先生や遥と計画を巡らしている間、幸いにも、あたしの周りは静かだった。
叔父に生で出されて、生理が来なかったらどうしようと怯えていたが、生理はあっさりと月曜日に始まって安堵することができたし、秀隆は、あのグラスの一件で、わたしが怒鳴りつけて以来、あたしの部屋に来なくなっていた。
だが、その平穏も、次の土曜日までだった。
あたしがバイトに行こうと、自分の部屋でボストンバッグに荷物を詰めていると、薄ら笑いを浮かべた叔父がやってきて、こう言ったのだった。
「望海、今日は一日、叔父さんと付き合うんだ。バイトは休みなさい。」
もう、それは誘いですらなく、セックスの相手をしなさい、という最悪の命令だった。
今日、想定していた予定では、朝の先生の調査が終わってから、弁護士の先生と会合し、家で話をつけてもらう段取りになっていたのだ。
「あの……すいません、そんなにしょっちゅうバイト休めないですし……今日は、許してくれませんか?」
あたしは必死に叔父にお願いしたが、叔父はあたしの言うことなど、ハナから聞こうとしなかった。
「全く、前にも言っただろう。高校生が、そんなにバイトに精を出すことはない。第一、その程度の融通が利かないバイトなら、辞めてしまえばいいんだ。」
この人はいったい何の権利があって、あたしにバイトを辞めろなどと言うのか。
ダイビングショップのバイトは、あたしの将来に直接繋がることなのだ。
それを辞めろだなんて、この人はあたしの夢や未来を奪うつもりなのか。
学校で使うもの以外は、何一つ買ってくれたことさえないくせに。
「……バイトを辞めてしまえなんて、軽々しく言わないでください!」
あたしは思わず、叔父に反論してしまっていた。
叔父に生で出されて、生理が来なかったらどうしようと怯えていたが、生理はあっさりと月曜日に始まって安堵することができたし、秀隆は、あのグラスの一件で、わたしが怒鳴りつけて以来、あたしの部屋に来なくなっていた。
だが、その平穏も、次の土曜日までだった。
あたしがバイトに行こうと、自分の部屋でボストンバッグに荷物を詰めていると、薄ら笑いを浮かべた叔父がやってきて、こう言ったのだった。
「望海、今日は一日、叔父さんと付き合うんだ。バイトは休みなさい。」
もう、それは誘いですらなく、セックスの相手をしなさい、という最悪の命令だった。
今日、想定していた予定では、朝の先生の調査が終わってから、弁護士の先生と会合し、家で話をつけてもらう段取りになっていたのだ。
「あの……すいません、そんなにしょっちゅうバイト休めないですし……今日は、許してくれませんか?」
あたしは必死に叔父にお願いしたが、叔父はあたしの言うことなど、ハナから聞こうとしなかった。
「全く、前にも言っただろう。高校生が、そんなにバイトに精を出すことはない。第一、その程度の融通が利かないバイトなら、辞めてしまえばいいんだ。」
この人はいったい何の権利があって、あたしにバイトを辞めろなどと言うのか。
ダイビングショップのバイトは、あたしの将来に直接繋がることなのだ。
それを辞めろだなんて、この人はあたしの夢や未来を奪うつもりなのか。
学校で使うもの以外は、何一つ買ってくれたことさえないくせに。
「……バイトを辞めてしまえなんて、軽々しく言わないでください!」
あたしは思わず、叔父に反論してしまっていた。