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海猫たちの小夜曲
第2章 絶望の始まり ~海色のグラスと小麦色の少女①~
 そして、あたしが大人しくなったのをいいことに、秀隆は腰の動きを速めてきた。
 労りのかけらもない稚拙で乱暴な抽送に、あたしはまた、体を硬直させた。
 下腹部の異物感は、だいぶ落ち着いてはいたが、ひりつくような破瓜の痛みはまだ続いていて、秀隆がペニスを膣内で上下させるたびに、あたしは唇を噛んで痛みに耐えていた。

「ううっ……そろそろイクからな……」

 秀隆があたしの両手を押さえ、たるんだ腹の肉を揺すり、汗を飛ばしながら、腰の動きを加速させた。
 腰を打ち付ける音が激しさを増し、秀隆の口から荒い息遣いと低い呻き声が漏れる。

「嫌あっ! 膣内で出さないで! ……膣内だけはダメえええ!」
 
 妊娠の恐怖に、あたしはもうプライドさえ気にする余裕がなくなって、必死に秀隆に懇願していた。

「……じゃあ、望海の生意気な顔にぶっかけてやる。お願いしてみろよ。」
 秀隆が下卑た笑いを浮かべて、あたしに言ってくる。

 前に、友達がお兄さんの集めたエロ動画とやらを見せてくれた時に、顔射やら、ぶっかけやらというのは見たことがあったけど、そのときは何これキモい、とか、AV女優って大変だなあ、としか思わなかった。
 彼氏もいない処女の自分には、まるで関係のないものにしか見えなかったのだ。 

 それが、よりによって、こんなクズみたいな奴の精液を顔に浴びせられるのか、と思うと、悔しさで涙がこぼれそうだった。
 あたしは薄ら笑いを浮かべた秀隆に突き上げられながら、悔しさに身を震わせた。
「くっ……」

「なんだ、言えないの? もしかして、そんなに中に出してほしいのかよ?」

 そんなわけあるか。
 秀隆に妊娠させられるくらいなら、顔を汚されるほうがましだ。

「おら、早く言わないと、中でイっちゃうぞ……おらおら!」

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