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海猫たちの小夜曲
第4章 冷たい海 ~海色のグラスと小麦色の少女③~

叔父の車に続いて、先生の車が家に着き、あたしたちは、弁護士さんを車に残して、家に向かう。
「お前さんの出番はもう少し後だ。……そうだな、30分くらいで電話できると思う。」
「OK、俺は暴れ牛に止めを刺す花形闘牛士ってとこだな。ま、任せてもらおう。」
先生の指示に弁護士さんは不敵に笑うと、窓から手を出して先生の手を握った。
家の居間では、真っ青な顔をした秀隆と叔母が座っていた。
叔母は悄然とした叔父の姿を見るなり、激しく罵倒し始めた。
「……いい歳した男が、姪っ子に手を出すなんて……情けないったらありゃしない!」
そう言って叔母は叔父の肩を何度も叩いたが、叔父は石のように押し黙って動かない。
「すでにお話はうかがっていると思いますが、児童相談所として、こちらの有坂望海さんへの性的虐待についてお話をさせていただきたいと思っております。こちらとしては既に相応の事実を把握しておりますので、嘘偽りを述べるのはやめてください。」
先生は叔母の狂騒にも怯まず、冷静に宣言すると、秀隆に話を向けた。
「秀隆くん、でしたね。あなたが望海さんにセックスを強要している、というのは間違いありませんか? ありていに言えば、レイプしているということで間違いないですか?」
「ふっ、ふざけるな! レイプなんてしてない! ぼっ、僕はこいつに誘われただけだ!」
叔父と全く同じふざけた言い逃れに、あたしはまたしても怒りがこみ上げたが、あたしが口を開くよりも早く、先生は秀隆の言い訳を封じにかかった。
「お前さんの出番はもう少し後だ。……そうだな、30分くらいで電話できると思う。」
「OK、俺は暴れ牛に止めを刺す花形闘牛士ってとこだな。ま、任せてもらおう。」
先生の指示に弁護士さんは不敵に笑うと、窓から手を出して先生の手を握った。
家の居間では、真っ青な顔をした秀隆と叔母が座っていた。
叔母は悄然とした叔父の姿を見るなり、激しく罵倒し始めた。
「……いい歳した男が、姪っ子に手を出すなんて……情けないったらありゃしない!」
そう言って叔母は叔父の肩を何度も叩いたが、叔父は石のように押し黙って動かない。
「すでにお話はうかがっていると思いますが、児童相談所として、こちらの有坂望海さんへの性的虐待についてお話をさせていただきたいと思っております。こちらとしては既に相応の事実を把握しておりますので、嘘偽りを述べるのはやめてください。」
先生は叔母の狂騒にも怯まず、冷静に宣言すると、秀隆に話を向けた。
「秀隆くん、でしたね。あなたが望海さんにセックスを強要している、というのは間違いありませんか? ありていに言えば、レイプしているということで間違いないですか?」
「ふっ、ふざけるな! レイプなんてしてない! ぼっ、僕はこいつに誘われただけだ!」
叔父と全く同じふざけた言い逃れに、あたしはまたしても怒りがこみ上げたが、あたしが口を開くよりも早く、先生は秀隆の言い訳を封じにかかった。

