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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第7章 再会
 強引に乱暴する男が捕まってしまうと、後に電車に残されるのは、こういう輩だけなのか…。今日ここで電車に乗ったこと自体が、間違いだったのかもしれないと、今だけ思った。
 自分さえ良ければいい、というタイプという点ではこの男性もあのワイシャツ男と共通であり、しかもその上、こちらの方は危険を冒すことも避けたい・・・捕まりたくない・・・当たり前と言えば当たり前の事でもあるが、こんな人がおそらく都心で暮らす普通の男性の代表なのかもし知れないな、等と思い、そしてそう考えると、なんとなく気の毒にさえ思えてきた。
 ゆっくりと列車が止まる。二番目の駅についたのだ。開いた右側のドア付近では人の洪水だった。恵子のいる中ほどではそれ程のことは無かったが、ここでは数名の降りる客が一筋の通路を作り出し、その経路上にいた恵子は数メートルだけドア側に押し退けられた。二人と行き違う。三人目か、と避けていた恵子のウエストの辺りを誰かの手が支えて、そして引きつけた。されるがままに身体を預けた。目を伏せて、その相手を直接見ないようにした。とにかく押し付け男とはこれで離れられそうだ。誰かが私をターゲットに選んだんだ・・・そう恵子は確信した。
 ほどなくドアからホームに一旦降りていた客が戻ってくる。恵子は、今度は進行方向右向きに立ち左右のドアの中間で、誰だかは分からない少し背の高い男性の正面に密着する形になって、その駅を出発することになった。
 列車が走り出す。
 何かがワンピースの上から恵子の下腹部にさらっと触れる。触れるか触れないか・・・というほどソフトに触れる。まるで手荷物の何かが触れたのかと思うような軽いタッチ。でも、それは正面に密着した男の手以外にはあり得ない位置だった。体を小さくこわばらせ、されるがままに任せてみる。いくよ、と言うようにその手は薄い生地のワンピースの上から徐々に密着するように触り始める。指先は徐々に一番敏感な割れ目の先端付近に達しそうだ。しかしその部分へ指先が伸びることは無く、恥丘の手前を前後に左右に、触れるか触れないかのギリギリのタッチで這いまわる。焦らされて焦らされて、自ずと恵子の身体が期待に反応してしまう。来る。その指先が。鼻から吐息が漏れた。
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