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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第3章 深夜の公園
 立ち止まってみたが、何も聞こえない。静寂はむしろ怖かった。その沈黙を破るためにも、もう少し進むことにした。この先には北側の公衆トイレがある。深夜でも、よく人がいる所だ。ここは、長居をせずにとっとと通り過ぎよう。陸上競技のトラックのように道は左にゆったりとカーブする。左側に並木があるので、先を見通すことが出来ない。
 ほぼ正面に駐車場の明かりが見えてきた。もう少しで通り抜けられる・・・と、その時、ふいに背後から呼びかけられて、はっと息を呑んだ。
「こんば・・・」
 驚いてどきっとしたことしか覚えていない。首をすくめるようにして、身体を固め、ようやく事態を理解して振り返った。
「こんばんは。」
と、再び声をかけられ、あまりのことにこの場面にいちばん相応しい挨拶の言葉が見つからない。
「何してるんですか?」
 いきなり、これほど答えにくい質問も無いものだ、と思った。ラフなカジュアル姿の三十代男性。
「帰るところです。」
 この場合、そう答えるしかない。嫌いなタイプとか絶対苦手なタイプ、というわけではないが、だからと言ってこの時間この公園でナンパするなど、目的はアレ以外に考えられない。リモコンバイブを身につけているなどと…よもや知られる訳にはいかない
「えぇーー帰っちゃうんですか?飲みに行きません?」
「いえ、大丈夫です。帰らなきゃ」
「ほんと帰っちゃうんですか?誰かと約束?彼氏さん?」
「・・・えぇまぁ、そういうところ」
はやく切り上げなくちゃ、と、思いつつも、相手を逆上させて揉め事になるようなことは避けたい。頭の中では次に話しかけるべき言葉を大急ぎで探していた。
「なんか、すごいきれいですよね。」
 服装の事を言っているのだろう。胸の谷間を露出させたカシュクールのニットセーターとピンクの膝上丈フレアスカート、肩がシースルーレースになった白いシャツを羽織って前はとめずに裾を結んで着ている。こんな格好で来る方が悪い、と、自分でもそう思った。
「・・・え、きれい・・ですか?洋服が?ありがとうございます?」
「ううん、おねえさんもきれいですよ」
 だめだ、話に付き合っている場合じゃない。切り上げよう。
「ねぇ、ちょっとだけ・・・」
と男が切り出したその時だった。
 ぶーーーーーー。


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