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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第3章 深夜の公園
「うっ、ん、んん。」
身体が反応してビクンと力が入る。しっかりと抱き寄せられ、身じろぎひとつ出来ない。腕の中からは到底逃れられそうにない。右の乳首をまたしてもつまみ上げる。
「んあっ、いぁ。ん…ん。」
 握りしめた左手を男の左手がしっかりと握り返した。首だけ右に向け、右手の指先を伸ばすと口元に少しだけ届いた。唇に指先を当てて声をおし殺す。
「んぁ、んん。」
 男は握った恵子の左手をゆっくりと自分の股間へと向けた。左手の甲に男の熱いものが触れる。まだ完全にエレクトしきっていなかった男のモノは、恵子の左手が触れるとすぐにぐんぐんと大きく固くなってゆく。
もうダメ。諦めかけたその時だった。
 ぶーーーーーーーーー。
 バイブはいつの間にか十種類のパターン全てを終えたようだった。一巡して、最初のいちばん穏やかな単調のバイブ振動に変わったのだ。
 恵子は目を開き、そこに相変わらず夜の公園があるのを確認すると、大きくひとつ吐息をはいた。
 ふぅー、はぁーーーーと、深呼吸。我に返った。
「ねぇ、ね。ねぇ」
「んあ、なに?」
 男は左の乳首に夢中だったが、構わず
「ねぇ、ね。もぉいいでしょ?」
と言い終わると、何か言おうと左の乳首から男が離れた隙を盗み、くるりと身体を反転させ右腕で男の胸を押し込んで、腕一本分遠ざけた。
「なに?ね。いっちゃったの?」
「ん?まぁ……そんなとこね。おしまい」
 とにかく、今のうちだ。
 呆気にとられた表情の男に笑顔をつくって回れ右すると、バイブの振動を少し我慢して、早足で今来た方へ歩き出す。すぐさま駆け出していた。
 大丈夫、この振動なら我慢できる。
 中央の広い通りの街灯の下へくるまで、胸がはだけていることにも気づかずに、とにかく走った。後ろを振り返って追いかけてこないか確認したかったが、誘っていると思われると最悪だ。車へ急いだ。駐車場が見えた。ここまで来れば、安全・・・。安全?
 キーはどうした?車のキー。持ってるの?握りしめた右手の中で、すでに感覚がなくなっていたが、確かにキーはそこにあった。
 よかった。
 もうこれ以上は走れない。車に向かって大股で近づく。息があがる。もうそこまで来ている。

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