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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第3章 深夜の公園
 左手の親指でパターン切り替えボタンを二度カチッカチッ、と続けて押す。いきなり連続モードの最強の振動になる。
 びぃいいーーーー。
 顎を引き付け爪を噛むように右手の指の背で唇を覆う。半開きの目を見開き、一度姿勢を整えると、左親指に力を込めた。
 ぶーぶぶふ、ぶーぶぶぶ。
 連続するリズムカルなパターンに呼応して、恵子は独りの車内で微かにピクンピクンと反応する。リモコンのスライドカバーを閉じてコンソールに置き、暫くはローターの振動に集中する。そうして半分閉じられた恵子の目は、その時、突如まばゆいヘッドライトに照らされて顔を背けた。
 駐車場に一台クルマが入ってきた。
 瞬時に気づいた。見覚えがある。さっきの南側駐車場でみた青いワゴン車だ。車種までは分からないが、特徴のある青い色。同じ車だ、と確信した。
 私を…追って?
 まさかここまで探しにきたというの?痺れる頭で考えながら、恵子は目でワゴン車の動きを追いかけ続けていた。
 その青いワゴン車は、駐車場に入るとほとんど躊躇なく左折し、今度は大きく逆方向にハンドルを切って、フロント部分をこちらに振り、そのままバックで入り口にいちばん近いスペースに駐車した。そこは恵子の場所の斜め向かい。恵子の視線ではちょうどフロントピラーに重なるあたりの位置。駐車場の入り口に設けられた街灯がワゴン車を照らすのだが、ほとんど真下に近いため車内は暗闇に見える。サイドのスモークガラスだけが街灯を反射して目に眩しい。
 ぶーぶぶぶ。ぶーぶぶぶ。
とリズムをきざむローター。
 まぶたを半分閉じ、右の窓ガラスにおでこを預ける。それでも、目線では暫くワゴン車の様子を気にかけていた。ドアは開かない。代わりに一瞬だけ灯りがともると、サイドウインドウの隙間から漏れ出た煙が、街灯の光に反射して光のカーテンを作った。蛍のようなタバコの灯りが運転席からこちらを観察している。
 ぶーぶぶぶ。ぶーぶぶぶ。
「はぁ、あぁ……」
 緊張を解き短く吐息をもらすと、サイドウインドウのガラスがそこだけ曇った。見るでもなくワゴン車の方に視線を送りつづける恵子の身体を、バイブの振動が溶かしてゆく。ワゴン車から人が降りる気配はない。

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