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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第4章 追跡者
 中央の乗り換え通路まで真っ直ぐ早足で歩く。ひと固まりの外国人風の一団の直前を右に折れた。そして七番線。左に折れて上りエスカレータに飛び乗る…その直前、右側から追い越され、行く手をスーツの男性が遮った。すぐ後ろにも誰かが乗る。一段前にはそれほど長身ではない、がたいの良い男性、一段下には別の誰か、エスカレーターで前後を挟まれる。
 追いかけてきた…?
 出来るだけ無視するように、真正面を向いて立つ。スカートの裾あたりに何か大きなものが触れた。写真でも撮られたら…。サスペンダータイプのストッキングと、ハーフバックのショーツ、後ろはほとんど露出している。スカートの中を覗き見ようと思えば容易い。
 エスカレーターで上ってゆくにつれ、乗降客を見つめる監視カメラがこちらを真正面に捉える。レンズに一瞬だけ目を向けて、なに食わぬ、といった表情を作って目を逸らせた。お尻に何かが触った。
 明らかに人の手の感触だ。割れ目に掌をあてがっている。振り返れば手を離すだろうか?それともエスカレートして話しかけてくるか?数秒後にはプラットホーム、何も出来る訳ないんだし、と、無視して通すことにした。
 それよりも、電車の中までついてこられると厄介だ。やがてエスカレーターの段差が小さくなる。二歩あるいてホームへ踏み出す。追っ手をまけるか?
 フェイントのように右側の八番ホームへ向きを変える。そのまま階段前を通りすぎてUターン。ホームを階段と隔てる壁に背もたれる人たちの前を通り過ぎ、その先の広い場所を目指す。ドアの位置を示す足下のマークの後ろには、もう幾つもの人の列が出来ている。列には並ばず飲料の自販機の前で立ち止まった。急に止まった恵子をつけていたのなら、その男たちもまた急に行き場を失うはずだ。
 挙動の怪しいひとりは、自販機の前で急に向きを変え離れていった。
 本当に喉がカラカラだった。缶コーヒーを選び、ハンドバッグからスマホを取り出して精算する。ピピッ、ガッ、タアッ。
 小さな缶ではあるものの、恵子は缶コーヒー一本を三回に分けて一気に全て飲んでしまった。口の中に独特の苦味が残った。
 アナウンスによれば、間もなく上下線とも列車が到着するらしい。『上り』すなわち、副都心方向に戻る列車、自販機の場所からさらに車両ひとつ北側のドアに並んだ。
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