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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第4章 追跡者
 終電時刻が近づくと、区間を区切った折り返し運転に切り替わる。この列車も次の駅で折り返しになるので、先へ行くには乗り換えが必要となり終点まで乗るよりは、ホーム反対側の列車を利用できるこの駅で降りたほうが便利だ…という主旨のことを車内アナウンスが告げていた。減速し続ける列車はやがて静かに静止した。一斉に人が立ち上がり、次いでドアが開く。目の前を乗客が過ぎていく。長官は身構えていた。オンナは降りない。
 と、その時、立った。そして既に開いていた左前のドアの真ん中をすり抜けるとすぐ左に口を開けていた下り階段へ、オンナが走り出した。どうということは無い。人でいっぱいの階段なのだから、何人か後をただつけていくだけだ。階段は少し先も見えないほどの人込みだったが、それでも見失うほどではない。この階段を降りきって右へ曲ると隣のホームへ上る階段はその先の左にある。かぎ状にクランクすることになる。そして階段を上って隣のホームから反対方向の電車に乗ればループの完成。そうなる予定だった。平静を装い後をつけていくと、クランクしたあたりでオンナの姿が消えた。すぐ右にシゲ君が見えた。こちらを振り返ったので目が合う。右の人差し指で小さくトイレを指差していた。
 またか。さっきもトイレにいただろうに。時間稼ぎか。嫌われたもんだ。
 こうなれば我慢比べだ。たしかに次の発車までに四、五分ある。シゲ君が階段下、長官は階段を上り切ったあたりで待機。オンナがトイレから出るのを待った。それほどの良好ターゲットいわゆる『良タゲ』だ。いつの間にか追いかける事そのものが目的になり始めている。それがこの次の電車で同じドアから乗り込むことで完遂される。最後のヤマが、どのドアに乗るのか、それを突き止め同乗することにあった。
 遅い。さすがにそろそろ電車が来る。一本遅らせるつもりか?誰かと掲示板を使って待ち合わせしているじゃないのか…ふとそんな考えがよぎった。その返信をトイレで確認しているのだとしたら…


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