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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第4章 追跡者
 ダメ、聞こえちゃう。そんなに激しくしちゃ。
 その時、突然ピストンする耀司の手の動きが止まった。ゆっくりと抜き取られていく。
 「はぁぁあぁ。」
 恵子はゆっくり鼻から息を吐き出した。自分でも息遣いが荒くなっていることに気付いた。ひとつゴクリと唾を飲みこんだ。右足の内ももを摩る手は未だに行ったり来たりしている。左右の膝の間に長官の右足を挟み込まされているために股を閉じることが出来ない。
 恵子の目の前をカーキ色のジャケットを羽織った長身の若者の左手が通り抜け、吊革の三角を掴んだ。自分の中にたった今まであった手、指。恵子は俯いて額を耀司の胸に押し当てたまま、指先を直視しないようさらに目線を落とした。目の前で糸を引きながら光るソレを見せられるのかと思ったが、そうではなかった。そのまま耀司は吊革につかまり、それ以上恵子には興味を示さなくなった。
 どうして?どうしたの?恥ずかしげもなく、恵子は耀司にすり寄った。
 おねがい。
 次の駅が近づいていた。電車の客室と運転席とを隔てる壁に向かって、そこにあるすべてのものが押し付けられる。恵子も右足を踏ん張りはしたものの、そのまま傾いて進行方向側にあっただれかの背中に肩を預けることになった。不意に耀司との密着状態が解けた。刹那、そこにいる他のすべての男も皆、虎視眈々(こしたんたん)ターゲットのオンナを決め、手を伸ばしているように感じた。
 再び右腕を掴まれた。長官だった。
 長官は、列車が駅に停まり、乗降客の入れ替えが終わるまで恵子を掴み続けた。運転席のすぐ後ろのスペースに引き込み、ドアを背にして恵子と向かい合ってたった。ドアが閉まった。
 長官はやっとご馳走を手に入れた子供のように恵子の股間に正面から右手を挿し入れる。もう邪魔をするものはいない。ついにベストポジションを獲得した。車内は胸から下にあるものを何一つ目視で確認できないぎゅうぎゅう詰めだ。防犯カメラと言えどもココに長官がいたということ以外、何の具体的な証拠を撮影することもかなわないだろう。
 長官は恵子の反応を見るようにスカートの上から恥丘を撫でた。薄手のスカートだ。その感触は直接触れるのと大差ない。スカート生地の心地よさがさらに淫靡(いんび)さを掻き立てる。


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