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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第4章 追跡者
「んはぁ、んん、ぁはあぁ…」
卑猥なリズムを刻んでいた恵子の身体が、ビクン、と大きく波打った。さらにもう一度。
 ガクン、と身体の力が抜ける。膝に力が入らない。足元の床に愛液が垂れて光る。
激しかったリズムが止まる。
「ふーーーーっ、んふぅーーーー。」
大きく二つ、鼻から息を吐いた。なるべく外から聞こえないように気を使いながら…。
 そう、ドアの外では今もトイレを利用する何人かの気配がある。
 恵子は手すりにしがみついたまま、トイレットペーパーに手を伸ばし、そのままアソコへと引っ張ってあてがった。愛液が後から後からあふれてきて浸み込んでいくようだった。
『○○方面の最終列車は…~』
 二度目のアナウンスで身体を起こし、手すりに回した腕を引き抜くと便座にへたり込んだ。それから腰を浮かせてショーツを下げ、ひくひくしながら陰部を整えた。左の壁にある『流す』ボタンの『大』のほうを押し、豪快な水音に包まれながら身支度を整える。
 奥の荷物置きの棚から取り上げたバッグのショルダーストラップをひとつにまとめて掴みドアのカギを外して個室の外に出た。右手の洗面台へ。汗でびっしょりの顔をどうにかしなくては。手を洗い、背中合わせのパウダースペースへ。二人…たぶん友達同士なのだろう。二十代前半くらいの二人はお互いの鏡の前でおしゃべりに夢中だった。話題は化粧品の話。
 彼女らの右隣は角で鏡が直角に折れ曲がっていて、ちょうど一人が化粧を直すのにもってこいのスペースだった。そこで、まずはハンカチを出して汗を拭い、ハンドバッグじゅうを探してフェイスパウダーを取りだす。
 鏡の中に問いかける。
 どうしてカーキ色のジャケットの彼は、あの場で突然そっけない態度に変わってしまったの?何があったの。どうして嫌われてしまったの。
 コン、カッツン。
 カギを開ける音。後ろでトイレの個室がひらく。一人が個室を出てこちらに向かってくる。恵子は鏡の中の自分に集中した。もう少しで化粧直しは終わる。
 ふと、その鏡越しに花柄のスカートがひらりと目の端をかすめた。何か違和感を感じた。
 あのスカート!また同じだ…。
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