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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第5章 掲示板
 さらに別の手が後ろからスカートを捲り上げた。お尻が丸出しになる。顔をむけてみようとするが、誰だか分からない。股間に触れるものがあった。手や指ではない。すぐに察した。熱くなった男のソレが恵子のアナルの入り口をすこし行き過ぎたところに当たっている。まさか、待って。ココで入れる…の?触れるたびにどんどん固く大きく強くなってくる。
 だめ、それは。それだけは。おねがい。
 恵子は左手で耀司の胸を押し込み自分の前に少しスペースを作ると、スカートをめくり上げている手に向けて自分の右手を滑り込ませた。その手首を掴んだ。この人…この人、痴漢です…言葉が出ない。声にならない。ただ、喉の奥で息をする音だけがヒューヒューと鳴った。その掴んだ手首を強く握って車内の皆の前に晒すんだ。握りこむと、それは手首よりも細くなった。固い…が、しかし弾力のあるカタイ、フトイもの…それは手首ではなく男根だった。恵子は必死でその誰かの男根を握りしめていた。目の前が真っ白になった。
 はっ、と息を呑みこんだ。
 その衝撃で、恵子は目を覚ました。
 目を開け、そして、また閉じた。すぅーーーーーっと深く長く鼻から息を吐き出し、胸で大きく息を吸った。
 夢、・・・だった。

 翌日になると、耀司からの返事はパタリと来なくなった。仕事が忙しいのかと、数日は気を長くして待ってみたが、さすがにもう諦めた。そうね、痴漢した人とされた女が仲良くメールでやり取りするなんて、どう考えても異常だわ。そう言い聞かせたが、どこかで何かしてるんじゃないか、と、あれから毎日、痴漢体験掲示板をチェックすることが習慣になっていた。
 掲示板のあちらこちらを見ているうちに、体験告白は男性用ページと女性用ページがあることを知った。
 体験を書けばいいんでしょ。夢でも…。
 女性用ページを開いて、最近の書き込みを眺める。それっぽくはあるが、女が書いたのか男の人が真似て書いたのか判然としない書き込みで占められている。
 新しい書き込み用のフォームに、二人の長身の若い男性に前後から痴漢されたという、恵子が夢で見た話を実話体験らしく脚色しながら書き込んだ。もちろん夢だ、とは言わずに。
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