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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第6章 贈り物
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 帰路の電車内は、駅に着くたびに空席が増えていく。恵子は電車内の座席に腰を下ろすことが躊躇われた。まだ、アナルに乱暴された違和感が残っている。
 その事で疲れ果ててはいたが、それでも列車の揺れに耐えながらじっとドア脇の手すりにつかまっていた。時折、ガラスに写る自分の顔がひどく年老いて見えた。それでも列車はいつしか目的の駅へと恵子を運んだ。
 降りる客はまばらで、ホームから沿道のネオンが見わたせる。駅前の二十四時間営業の食料品店とその二階のフィットネスジムの他には、数件の居酒屋やスナックの赤やピンクの看板だけがあやしく灯る。改札への階段を上りながらスマホを取り出したが、もう例の掲示板を開こうとは思わない。
 駅のコインロッカーに傘を預けていた。どうせ目的地などないのだから外を歩く予定もなく、電車内では濡れた傘は邪魔になる、・・・そう考えたからだった。そんな気まで使って、・・・と自嘲した。自動改札機にスマホをかざし連絡通路を右へ、その先の角にあるロッカーをスマホで解除し、傘一つを取り出すと振り返って階段を下る。
 この時間になると決まってナンパにあう。呑みに行かないかと聞かれれば車だからと断り、それならお茶だけ、と誘われればとにかく急いでいるから…、どのみち、その後ホテルへ行きたいと言い出すに決まっているのだ。相手も断られることを覚悟の上で声をかけている。
 バスの時間はとっくに終わっていて、この雨である。タクシー待ちの人々が行列を作っていた。その列を追い越し、ナンパのお兄さんを振り切って交番の前で折り畳み傘を開く。タクシーでも帰れなくはないだろうが、帰りが遅くなることが分かっている日は、この先の駐車場にクルマを停めていた。
 少し歩いた先の角には、エスニックな目をしたアジアンビューティが立っている。何をしているお店なのかは知らないが、男性客目当てなのだろう。恵子にはちらりと目をやるだけだ。同業か?とでもいうような目。こちらもちらりと見返す。そしてその先のコンビニの明かりを過ぎれば駐車場。駅から少し離れれば一晩停めても五百円程度のコインパーキングがある。
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