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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第6章 贈り物
 喉がカラカラだった。コンビニで何か…と思ったが、店内の明るさに気恥ずかしさを覚えた。醜い自分を光の下に曝したくはない。駐車場の精算機の隣で何か飲み物を買えたはず、・・・自動販売機の灯りがぼんやり周囲を照らしている。歩きながらハンドバッグの中を手探りでかき混ぜて財布を見つけ出し、五百円硬貨と十円玉数枚をを投入して缶コーヒーのボタンを押す。
 ぴぴぴぴぴぴぴ、っとおまけの抽選。「7」「7」「7」「8」、はずれ。期待していないので悔しくもない。
 コーヒー缶をハンドバッグに突っ込み、自販機から出てきた釣り銭で駐車料金を精算する。百円硬貨四枚を入れ領収書を受け取って財布に入れた。駐車場の奥からロック板が下がる音が、雨でぬれたアスファルトを這って恵子の足元まで伝わった。恵子の車は奥から二番目。そこまで傘をたたみながら駆ける。リモコンキーでドアロックを開ける。ポジションランプが一度光って、そして消えた。
 運転席側のドアを開けると助手席の足元に向けて無造作に傘を放り投げ、その後を追うようにハンドバッグごと車内に飛び込み、まずはドアを閉める。勢いでハンドバッグは横倒しになり助手席の座面にその中身をぶちまけた。そこから冷えた缶コーヒーひとつを拾い上げドリンクホルダーに挿す。
 そうだ、例の紙包み!
 何だったんだろうと脳裏をよぎった。その時眩しい閃光が恵子の思考を遮った。ヘッドライトが横切る。それは、二、三台ほど恵子よりも入口寄りのスペースに停まっていた車。今まさに出庫するというところだった。別に見るでもなく見て、そして戦慄した。
 青い車。ワゴン車。あの車だ。
 特徴のある四角い形。側面の大きなスモークガラス。何よりその特徴的な青。正直なところ車種など知らない。今どきのワンボックス・ワゴンなど、どれも同じにしか見えないが、その独特の色調は覚えていた。市販車では珍しい色調の青だった。
 そう、あの日公園で恵子の斜め向かいに停めて、恵子が独りでイクところを車内からじっと見ていた、あの青いワゴン車に違いない。
 クルマは右折のウインカーを煌々と点滅させ駐車場を出ていった。
 どこへ帰るのだろうか。何者なの?今日も私を見ていたの?
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