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淫戯日記・恵子 ~続けてもいいですか~
第6章 贈り物
 頭の中が真っ白になって、何も考えられない。信号が青になった。突き当りなので、とにかくどちらかに曲がらなくては。左に曲がろうと思っていたが急に右にウインカーを上げて右折し、すぐまたその先の十字路の信号を右折した。踏み入ったことのない街の知らない道。車を停めて今見たものを確認したかったが、住宅街で道端にクルマが寄せられない。反対車線側には学校らしきグラウンドがある。そのまま進むと百メートルほど先が明るかった。コンビニだろう。左折し、店の真正面の駐車スペースを通り過ぎて、右奥の陰に後ろ向きで駐車した。
 ようやく、ゆっくり包みを見られる。
 そこに写っていた写真は、間違いなくあの日のトイレでの自分だった。出てきた透明の袋には、小さくたたんだピンク色のリボンのようなショーツと、昔、映画で見た宇宙船のような形をしたピンク色の物が入っていた。それが遠隔ローターであることはすぐに分かった。
 見たこともない形のローターだった。
 今、恵子は深夜のコンビニの駐車場でキラキラ光る透明の袋の中身を、スカートの膝の上に引っ張り出してその手に取っていた。それは何かの生物のようでもある。宇宙人の乗物のようでもある。歪(いびつ)な、菱形と楕円形の中間のような左右対称の形。あえて例えるならばエイの様だ。しっとりと肌なじみのいい手ざわりで、袋の外から触った時よりも存外柔らかかった。ツルンとした面には長く伸びた雨粒形の金属メッキが冷たく光る。そして反対の面は、見るからに卑猥な形をしていた。中央に柔らかな突起がある。まるで女性の陰部で型を取ったようだ。どこにもつなぎ目がなく乾電池を抜き取ることなどは出来なさそうだ。
 次にショーツを恐る恐る広げる。紐とわずかなシースルーのピンク色の布。腰に回す二本の紐は、おへその下あたりでリボンのような五センチほどの幅の布で繋がっていてその下には布がない。左右の端に一センチくらいの径の金属の輪がつながっていて、そこから大切な部分を覆う薄い布が下がっている。そして二枚重ねでポケットになっていた。
 つまり…。
 ポケットにコレを入れてショーツを履けば、その中央の突起は間違いなく恵子の陰部に密着しクリトリスを直撃する。
 これを・・・?!これを着て指定されたところへ来いっていうの?どうしてよ?そんな・・・行くわけが、無いじゃない・・・。
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