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恋人はスーパースター
第9章 婚約パ―ティ―は、大波乱



再び照明が消え、ステ―ジ上から樹の姿が消えた。

そして、スタッフらしき人達が慌ただしく、ステージの椅子やテ―ブルを片付け始めて、一夏と伸彦の前を行き交いしていく。

次々と、live用のステージへと大道具や照明を組み立てていく。


この事は、伸彦の考えには無い舞台進行で…


「なんだ?何が始まる?ボクは、こんな大掛かりな舞台をセッティングしていいなんて、言ってない!!!!!」


伸彦は、スタッフの一人を捕まえて、厳しい口調で問いただす。


「おい、責任者を呼べ!!!!何が、どうなってる?」


「聞いてないんですか?今日は、このグリ―ンホ―ルで"N"のLive及び"N"のこれからの方向性について、重大発表する場に変更になったんだって?」


「「知らない!!!そんなことは、聞いてない!!誰がそんなデタラメを!!!!」」


「知りませんよ、手離して下さい。苦しいですから…」


「いいから、責任者を呼べ!!!」


伸彦が争ってる中、コツコツと、足音が近づいてくる。


「その手を離してあげて下さい!!舞台進行の邪魔です!!!」


そして、彼らの前に現れたのは…


「今日この場の権限は、我が、ジャックスホ―ド財閥が全て買い取りました。」


「なんだ、貴様は?」


伸彦の前に現れたのは、どうみてもイギリス人紳士。


「わたしですか?わたしは、ジャックスホ―ド財閥当主エドワ―ド様の秘書をしております、カインと申します。」


カインは、契約書を、伸彦に呈示した。


「あなたのご両親さまには、了承を得ています。勿論、椿様のご両親さまにも。」


「じゃあ、ボクたちの婚約発表は、どうなる?」


「さて、それは存じ兼ねますが、それは今後の経緯によって検討されては如何ですか?」


「ふ、ふざけるな!!!!」


伸彦は、憤慨するが、一夏は、カインの登場によって、少なからずも、救われた気がした。

カインは、言う。
ひどく渇いた声色で…


「これ以上、舞台の進行を妨げるようならば、警察を呼んでも構いませんよ?」


「チッ、これまでか…」


伸彦は、悔しそうに、顔を背けた。


「椿様は、どうぞこちらへ」


一夏は、カインの手を取る。


(…ありがとう、柚葉。柚葉が柚葉のお父さんに頼んでくれたんだね…)


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