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恋人はスーパースター
第4章 友達として、出来ること…
はぁはぁはぁ、今まで人のために、こんなに一生懸命走ったことは、あっただろうか。
柚葉は、二人の父親に愛され続けている母の姿を見て育ってきた。
「ー夏、どこ?どこにいるの?一夏!!!」
わたしには、本当の父親と、戸籍上の父親がいる。
母を溺愛している、父親たちのことを。
ずっと、不思議に思っていた。
そんな三人の関係のことを気色が悪い、とも思ってた。
年頃になって、その反発は、兄への想へと飛び火した。
樹にしか、今まで心を開けなかったから。
でも今なら、分かるような気がした。
他人を好きになる気持ちが。
大切な人を守りたいという気持ちが。
…だから。
友達として、出来ること…。
一夏に全部してあげたい。
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