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恋人はスーパースター
第7章 嫌でも現実は降りかかる



それでも、一夏は、隼人との関係をなかったことには、出来なかった。

たった一夜限りの情事でも、初体験は隼人と、という願いは叶ったのだから。


「サインは、出来ません!!!あたしは、隼人と連絡先の交換など一切してませんから、もう二度と、ここには来ません!!!安心してください!!!」


一夏は、そう叫ぶと、荷物をまとめて、部屋を飛び出して行ってしまった。


「ちょっと、君!!!」


呼び止めたが、彼女は、見向きもしなかった。


残された楠は、やれやれと、深いため息をつく。


「ふぅ~仕方ないな、サインは、他の誰かに代行で書いてもらって、隼人くんに見せるしかないか。あれだけ言っておけば、ここには、二度と来ないだろうしね」


楠は、念書を鞄の中に、しまい、彼女のいた形跡を全て消すように掃除を始めた。


「…アイドルなんかに本気で恋するなんて、気の毒だよな…」


あくまでも同情はするが、"N"の如月隼人という商品を汚されたくない楠は、無理にでも現実を彼女に突きつけたのだった。



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