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恋人はスーパースター
第7章 嫌でも現実は降りかかる
一夏は、泣きながら隼人のマンションを飛び出し、その涙は、なかなか治まることは、無かった。
そして、嫌でも現実が降りかかってくる。
最寄りの駅に着き、電車に乗り込むと、つり革の部分に"N"のNew アルバム発売の宣伝が張り出されていた。
そこには、隼人の営業用のスマイルが全開で、一夏は、何故か戸惑ってしまう。
昨夜のことは、本当は、夢だったのかもしれない。
いや、もう、そう思い込むしかないものだと、諦めるしかないと、思っていた。
そして、ようやく家に着くと、玄関に仁王立ちした、母親の姿があった。
「昨夜は、どこに、泊まったの?連絡くらいしなさい!!!」
「…ごめんなさい…」
「ごめんなさいで済めば、警察はいりません!!!」
「…お説教は、たくさんだよ!!!!」
「何を言ってるの?あなたは、椿家の大事な家族なのよ?」
母親の言葉に、一夏は、ぐっと唇を噛み締める。
「…椿家の繁栄の道具に使える駒じゃなくて?」
「…なっ、何を言ってるの?」
「そのまんまの意味だよ!!!眠いから、わたし、寝るね!!!!!」
一夏は、そう叫ぶと、自分の部屋へと走っていった。
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