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🍑桃と奥様❤
第1章 🍑桃と奥様💖
「ほら、食ってみろ。手で剥けるぞ」
「ほんと?……うわ、ぺろんって剥けたぁ!」
言われるがままに大きな桃の皮を剥いたスグリは、上手く剥けた事に目を輝かせました。
「よし。そのまんま齧れ。それが畑で一番美味く桃を食うお作法だ」
「おっきいのね、顎が外れそう……よーし」
満面の笑みであーんと大きく口を開け、桃を頬張るスグリの様子を、サクナは蕩けそうな顔で見ています。
「わーん!美味しい!」
「それは固めの桃な。こっちも食え、柔らかい種類だ」
サクナは一口齧った桃と交換で、別の桃を渡しました。
「うん!……わ、ぁん、こぼれちゃう、」
柔らかい桃は皮を剥くだけでも汁が滴り、手を伝ってスグリの白い腕まで濡らしました。
「あ、やん……もったいないぃ……」
「舐めりゃ良いだろ」
サクナは固い桃を齧りながら言いました。
「お行儀悪くない?」
「今ここにゃあ俺とお前しか居ねぇんだ。行儀悪くても構わねぇだろ」
「そう?……そっか?じゃ、いただきまーす」
スグリは口を開け舌を出して、日焼けしていない腕の内側から手首にかけて滴った果汁をぺろぺろと舐めました。
「うわ、美味しいぃい!!これ、美味しい!!」
「気に入ったか?実はもっと美味ぇぞ、食ってみろ」
「うん!……ふゎぁああああああ!!」
かぷ、と一口齧ったスグリは、サクナを見上げました。
「すごい!!こんなの初めて!!」
「美味いだろ?食っちまえ」
「うんっ!」
スグリは、夢中で桃を食べました。サクナはそれを楽しげに眺めています。
「都にゃほとんど出回らねぇし、いくら王宮にでも、熟したヤツは持ってけねぇからなあ。産地の特権だ」
「そうなのね、ごちそうさ……ひゃっ?!」
ちゅっと頬に口づけられて、スグリは声を上げました。
「美味いが、その代わりに、べとべとになる。……ここも、さっきより濡れてんぞ」
「んぁっ?!」
手を引かれ腕の内側をべろりと舐められて、スグリの体の奥の方が、疼いて震えました。