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お局の坪井さん
第3章 三


違う!違うのよ!私、澤村さんの事好きなのか、まだ分からないし……!


「坪井さん……今、はいって言いましたよね……?」

「う……はい……」

「俺の事、好きなんですか?」

「それは……」


うっとりした目で澤村さんから見つめられると、ドキドキと鼓動が速くなる。掴まれている両肩も熱い……。


「分かりません……けど……」

「けど……?」

「あの日の夜の事は……後悔していませんので、あしからず……」

「っ……!ず、ずるいですよ!坪井さん!」


思っている事を正直に言うと、また澤村さんから抱き締められ、困惑するも、


「あの……坪井さん……また、抱いてくれませんか?」


ぎゅうっと抱き締められながら、澤村さんの心臓の音を聞くと、何故か胸が幸せな気持ちで溢れた。


だから、何で私が抱く側……?


そう思いながらも、


「ん……」


頷く私の頭の中は、澤村さんの事でいっぱいだった―――
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