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お局の坪井さん
第2章 二


ビールで濡れた浴衣の胸部や腹部をおしぼりで拭くと、続けて澤村さんの鎖骨や胸を拭く。

すると―――


「…んっ……」


急に澤村さんが目をギュッと閉じながら色っぽい声を出したので、手を止めた。


「え……」


何、今の……。女の子みたいな声出したんですけど、この人。ビックリして、戸惑う……。


「あ、すいません……拭けましたよ」


パッと澤村さんからおしぼりを離すと、とろんとした目で澤村さんからお礼を言われた。


「ありがとう、坪井さん……」


何か坪井さん、ハァハァ……って息が荒くなってる!!目も潤んでいる!!いや、気のせい……?兎に角、何か変だ……。早く澤村さんから離れよう……。


「いえ……もう私、部屋に戻りますね」


おしぼりをテーブルに置き、いそいそと立ち上がった。そんな私の手を澤村さんが掴むと、ビクッとする。


「え……何ですか?澤村さん……」

「坪井さん、お願いがあります……」

「お願い、とは……?」


何故か嫌な予感がした。その予感は、見事的中する―――


「俺を……抱いてくれません……?」


うっとりした目で澤村さんから言われると、死んだ魚のような目になり、その場で固まってしまった。

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