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アーティストなS彼
第3章 ネトアデビュー
「ちょっと…待ってよ勇気君….一人にしないでよ」
恥辱より不安が強くなる。
首都圏に入り行き交う人や車の数は桁違いに増えている。

(誰かに襲われたらどうしよう…)

もし襲われたら、拘束され何度もイカされた愛美にはとても逃げられない。

ドクン…ドクン…ドクン…

恐怖により鼓動が早くなる…

ゴクっ…

喉の渇きがひどくなる…
目に入る人や車ね全てが、特殊な世界にいる自分を見つているような気になる…ひどく卑下した目で。
ブーンと鈍いローターの音は続いているが性的感覚はあまり感じない。
違う感情が胸に渦巻く。
苦しいがどこか甘い…名状しがたき感情。
それは長く感じた。一分が何十分にも感じられる。






そんな愛美の事とは無関係に勇気がトイレから帰って来た。
愛美は勇気の顔を見るなり感情が爆発した。
「勇気君のバカ〜!!!いやだよ〜こんなの〜こんなんで勇気君と旅行なんて楽しくないよ〜勇気君に嫌われるのはイヤだけど〜楽しくないよ〜ヒック…うううっ」
愛美の目から涙が落ちる。

疲れ果て体力が尽きかけていた。
泣いて全てを尽きさせたい。

…そこまで思った。

勇気は泣き続ける愛美を黙って見ていた。
そして口を開く…
「愛美…お前が俺に怒鳴り散らしたなんて…始めてだな」
「えっ?」
嫌われると思っていたのに、その答えは考えられなかった。
驚いたと同時にモヤモヤした心も晴れた気がした。
すっと勇気を見つめる愛美。
勇気は…
「仕方ネェなぁ〜」
と言って愛美から手錠とローターを外す。
愛美が付けていた下着を渡し…
「あとはエロ下着はトイレで着替えてこいよ」
そう言う勇気。
「ありがと」
まだ半泣きの愛美は下着と隠すための袋を受け取りトイレにヨロヨロと歩いて行った。



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