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アーティストなS彼
第4章 Wの加虐
愛美の髪のテンションを見ながら山川は勇気に聞く。
「コンセプトは田舎娘だけど田舎娘でない!ってところだ」

山川はため息をつく…
「また変な注文ね…」
「そうか?」
勇気は全く自覚がない。
「まぁ以前の野生的で美しい…まるでビオランテみたいな髪型にしてくれ!ってオーダーされた日には往復ビンタしてやろうかと思ったわ!」

(注※【ビオランテ】ゴジラシリーズに登場した怪獣。薔薇の花がモチーフになっている)

「なんでさ!いい例えじゃん!」
「アホか!薔薇の花の怪獣みたいな髪型に切れってどう言う事だ!」
山川の言葉に勇気は爆笑している。

愛美は驚いていた。
孤高な姿の勇気しか見ていなかった。
こんなに楽しいそうに話す姿は想像出来なかった。
また違った一面の勇気を見れて嬉しく思う。



「さて愛美ちゃん…」
勇気と山川の会話が終わる。
鏡に写る愛美を凝視する山川。
「ふむ…」ヘアメイクの仕上がりのイメージが固まったようだ。
山川の一つ一つの動きが愛美にはプレッシャーとして重くのし掛かる。
「あの…ヤマさん…私みたいなブサイクな女で大丈夫ですか?」
プレッシャーに耐えかねて愛美が言う。

「なによそれ…私の腕前を信用してないの?」
山川の顔は営業スマイルだが言葉には棘があった。
愛美は非礼な事を言ったと自覚した。

「ごめんなさい…ヤマさん…」
山川は営業スマイルを続ける。
「いいのよ…自分の身を守るため謝るのも有りだと思うわ…ただね…あまり自分を卑下するのはよくないわよ!」
愛美を髪をほぐしながら山川は言う。
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