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アーティストなS彼
第5章 こんな形のピュアラブ
するする…縄の擦れる音。
ギュッと締め付けられる。

愛美の体を縄は縦横無尽に走る。首から足まで覆い尽くすように。

うつ伏せで寝かされる。背中と足首に違う縄が結ばれたのが分かった。

カラカラと音がした。

「あっ!」

ゆっくりと体が浮く。
天井の滑車が縛られた愛美の体を浮きげた。

一瞬に体が締める。縄だけの圧力ではない。

…重力。

それも締めつける。滑車の回る音が止み支える縄を厳重に縛る。

停泊する船に舫(もやい)を結ぶように。

大の字のうつ伏せで吊るされた愛美。
重力の法則に従い髪の毛、そして豊な胸も垂れ下がる。

開脚されたラビアから淫ら汁が漏れているが、勇気は確かめなかった。

愛美の蜜坪は乾く事なく潤んでいる。
と、確証していたからだ。

「いやだ…勇気君…こんなの…」

宙吊りの愛美の声は悲壮感が込められていた。
二本の足で立つ。その根本的な事を奪われる恐怖。

だが荒い呼吸の中で耽美な吐息も混ざる。

勇気はしゃがみ込んで頭上に広がる愛美の四肢を見上げた。
天井の照明を背にして暗く霞む愛美の顔…

「酷いよ…勇気君…こんな事して…」
少女の様な悲哀の声。

「なんか物足りねぇーな〜」と言い勇気は黒いタオルを用意した。

平折りで細長くすると愛美の目に当て縛る。

愛美は目隠しをされた。宙吊りのまま暗闇に放り出される。

「いや〜やめて〜恐いよ!」

愛美は叫ぶ。異質の世界に来た感覚だ。
その誰も知らない世界で愛美の倒錯した感情の舵を取るのが勇気だ。

だがその勇気の姿が見えなくなる。

足音や吐息や体温でしか感じられない…

「勇気君…何処にいるの?あっ!」

乳首に勇気の存在がある。強くピンクの突起を摘ままれる。

「あっああっ…」

鼻から額に甘く痺れるような息を吸い込む。

性行為でしか感じられない甘い吐息。

五感を甚大に狂わされた愛美には強烈に感じる。






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