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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第10章 墨の華~過ぎし日の回想録
「……まだ緊張してる?」
「…………」
ふわふわの髪を撫でながら聞けば、奏多は瞳を潤ませまた小さく頷く。
この緊張を解すには、どうすればいい?
……僕の中にある遊びというか、奏多が思いもしない方法が思い浮かぶ。
知っているが、僕でさえ本気で試したことがない、僕の趣味の延長。この機会を逃せば、やることもないであろう古風な遊び。
「じゃあ少し遊ばないかい?」
「遊ぶ……ですか?」
「難しいことではないよ。ちょっとした昔の遊びかな」
そう、昔の遊び。
淫靡で綺麗な華を愛でる裏の遊び。
一番綺麗な時期を残すため、または女性を拘束するためなど、様々な理由で使われてきたもの。
「ここでは道具が揃わないから、別の部屋になるけれど、歩ける奏多?」
「な、なんとか……」
ゆっくりと立たせれば、力が入りきらない体を僕が支え、客間から普段趣味に使っている場所まで移動。
同じ和室だが、書や茶を楽しむだけに使っている僕の趣味専用部屋。
今は夜だが、日中は庭が綺麗に見え居心地がいい。
「……ここも広い」
「昔の日本家屋は造りが広いからね。そこに座って?」
「なに……するんですか?」
「奏多の緊張を解すための些細な遊び。変なことはしないと約束する」
座った奏多にまたキスを仕掛けた。この遊びは奏多の心も体も開かせる必要がある。
先ほどと同じようにキスを繰り返し、そのまま畳に押し倒してゆく。