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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第11章 二夜の過ち

(ダメ。自分の家じゃないんだよ私!)

女性だって欲情するんだよ。余韻が抜けない体は、新しい快感が欲しいように、どんどんと高まってゆくの。
花芽を通り越して、子宮までジンジンとする甘い痺れが、私の体を支配しようと囁きかけられ、蜜口から快感の液体が流れるのを止められない。

(こんな……はしたない私は誰……)

気を許せば、私は快楽に耽ってしまうのではないか?
人の家なのに、恥もなにもかも忘れ快感だけを追って……。

「……そんなの絶対ダメ。我慢しなきゃ、耐えなきゃ、私は……場所をわきまえない、やらしい女じゃないよ」

頭の中を冷たいくらいに冷静にすると、疼きは少しずつだけど引いてはくれる。
後は流れてしまったものを始末すれば、私は普通を保てるのよ。だからそれまで耐えて私!

身をひるがえし、最初に居た部屋に大急ぎで飛び込み、流れて落ちた蜜を処理して漸く一息。
だけど……思い出すたびにこれじゃ、私はいつか自分で耽ってしまうのではないか? そんな不安がつきまとうのは確か。
自分ですることも少なかった私が、ほんの数日でこんなに変わってしまうなんて。

「まるで快楽を欲しがる、淫乱じゃないの」

自分で言って落ち込みそう。男性が怖かったから、急に男性を求めるような変化に、私自身が戸惑っているの。……私はこんなんじゃなかったはず。これじゃ誰でもと言った三科さんと同じじゃない。
私はふしだらじゃない、淫乱でもない、普通よ普通!

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