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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第12章 聖と巽
やっと慣れた仕事なのに、移動になるなんて嫌だと思う。だけど三科さんに会いたくないジレンマ。
なんとか応対していたけれど、次からは絶対に無理だよ、顔も見たくないくらい嫌。
「営業ってエントランスを通ることが多いし、どうしよう。私、応対出来ない」
生理的に受け付けないよ。あんなことがあったら、受け付けるわけがないじゃない。社員だから無視することは出来るけど、外から営業に会いに来たクライアントの取り次ぎまでは無視出来ない。
「……凄いトラウマ」
男性が苦手から、三科さんが苦手に範囲は狭まったけど、完全に避けることが出来ないのが痛い。
今はいいよ、聖さんがこうして匿ってくれている間は。それも日曜までの話で、後は一人でどうにかするしかないのよね。
「……奏多、大丈夫かい?」
「聖さん!?」
「遅いから気になってね。着替え置いて行くから」
「……はい……」
私、心配されるほど風呂に入っていた?
聖さんが出て行ったのを確めてから、脱衣所の時計を見れば……。
「嘘っ! 二時間以上経ってる!?」
それは心配されるよ。
これは私が悪い、考えごとで時間を気にしていなかった、私のミスだよね。
どうして駄目なのかな私?
男性が関わると、自分のペースを保てなくなり、相手のペースに巻き込まれる。
意識してやっているわけじゃないけれど、これも問題よね。私自身の問題。