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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第12章 聖と巽
なぜという疑問しか生まれず、しかも客間には大きな布団が一組敷いてある。
これこそが祖母の差し金。余計なことを覚えないうちに、女性を知ってしまえ、女性を上手く弄ぶ方法を覚えろ。
……愕然とした。
15歳といえば、性的な興味はあるが想像の世界に等しく、実際に女性を抱くことなど考えもしない年頃。それなのに僕は……この商売から連れて来たという女性にリードされ、初体験をしてしまう。
(悔しかったのか、悲しかったのか、もう曖昧な記憶しかない)
それから週に一~二度ペースで女性をあてがわれる。
どんどんと女性に対して冷たくなってゆく僕の心。
多分に僕が持つモノも影響していただろう。商売女性でも、これを見たら引くか嫌な顔を散々されたのだから。
(いつの間にか商売女性だからと、無理矢理犯すようになってしまった僕。周りはなにも言わず、ただ僕の好きなようにさせるだけ)
相手云々よりも、女性に慣れ弄ぶほうが重要と、使用人たちは夜毎目を瞑る。
この頃だろう、僕が女性不信になったのは。興味も性欲もある年頃だが、ことあるごとに商売女性を抱けば嫌気もさす。
そんなことが数年続き、巽も15歳になり、巽の興味に惹かれ奏多を見た。
汚れのない純真な姿、まだ成長するであろうスリムな体躯、なによりも僕の気を惹いたのは穢れのない澄んだ瞳。
汚れた世界に居る僕から見れば、奏多は天使か女神にも思えたのが、あの時の感想。