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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第13章 付き合ってみる?

とんでもない提案を出した聖だが、奏多は更に困惑顔。それにしても、俺の置かれた立場を無視か、聖はなにを考えている?

「そんなことをすれば、周りの目が怖いです」
「気にしなければいい、守るよ僕たちがね」
「それは俺も同意見だ」
「……ふふ。
やはり似てますね」
「兄弟だからな」
「だね」

奏多が少しだけ笑顔を見せた。ということは、この話に乗るのか? 悪い話じゃない、どちらかが近くに居れば奏多を守りやすい。……それも聖は狙ったのか?

「じゃあね、都合上になるけど週の後半近くまでは僕。後の平日と週末は巽でどうだい」
「俺は随分と少ないな?」
「その分、一日中一緒に居られる週末を巽に渡したんだから、相殺だと思うけど?」
「そういう計算かよ」

直接的に関われない俺とすれば、好条件になるんだろうな。社内は聖がフォロー、社外は俺がフォロー、休日も仕事のことが多い、聖ギリギリの妥協点って話だ。

「就業時間が終わったら僕の部屋においで奏多。来週出社してから教えるからね」
「……大丈夫なんですか?」
「大丈夫。一般と違い個室だから問題はないよ。気が向いたら巽もおいで?」
「……遅くなるがな。
で、俺は外で奏多を待てばいいのか?」
「土日は休日だけど、僕のほうが金曜だけはどうしても空けられない。だから社の正面で待機がいいね」
「就業から三十分くらいかかる」
「それまで僕の部屋でいいよ」

俺たちを分からせると共に、完全な三科牽制シフトか、聖も抜け目ない。

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