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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第13章 付き合ってみる?
「ということで……」
「あ?」
「???」
話は終わったと言わんばかりに、聖が立ち上がる。
「今日のところは巽に任せるよ」
「……はぁ!?」
「……え!?」
俺と奏多が、聖の予想外の行動に声を上げても、聖は知らん顔。……つか、ちょっと待て! 聖が居るこの家で、奏多と二人で居ろと?
「生憎と、仕事の通信会話が夜までかかりそうなんだよ。夕食も自分の部屋で食べるから、二人で食べればいい」
「おい、そりゃ……」
「抜け駆けはしない主義だからね僕は。……ではね」
「……聖の奴……」
「行っちゃい……ましたね」
「……あぁ」
邪魔をしといて、抜け駆けはしないだ? そりゃ支離滅裂じゃないのかよ。というより、あっさりと引き下がった聖を見て、俺も奏多も呆然。しかも夕食を二人で食べろ? 俺は絶対に居間には行かんぞ。
「さて、どうするか……」
色々と気が抜けて、俺は自分の腕を枕にして畳に転がる。暫く驚いて俺を見ていた奏多だが、少しずつだが近寄る気にはなったようだ。
「あの……抜け駆けって……」
「あ?
あぁ、互いに奏多が好きなのは明白だからな、抜け駆けってわけじゃないが、極力邪魔をしないようにはしているんだ」
「でも今日は……」
「聖には前もって来ることは伝えている」
「それは聞きましたけど」
「話があっただけで、邪魔をする気はなかったんじゃないか? 聖でも気くらい使う」
「はぁ、まぁ……」