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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第13章 付き合ってみる?
「……は……あ……」
「堪らないな、その顔。なにも考えず抱きたくなる」
「……え?
そ、その……巽さんのキスが……上手いから」
「……上手いな」
その言葉に、俺はまた畳に寝転がった。快楽に慣れた俺や聖、『女を弄ぶ方法を』と、実践込みで叩き込まれた忌まわしい記憶。それを少し思い出して、俺は渋い顔をしてしまう。
「理由はどうであれ、俺と聖はガキの頃から女の扱い方について教えられたんだよ」
「……え??」
「聖は話さなかったのか?」
「なんとなく濁されました」
「そうか。言いたくないよな、あんな過去なんか……。商売女だと、女をあてがわれた。俺や聖が年齢の割に女慣れしているのは、それが理由だ」
「……無理矢理……」
「あぁ、拒否権は俺たちには無い。嫌でも言われるがままに動いていた人形ってところ。内心はくそったれと思っていたな」
五年前か。奏多が理想だった俺の夢が打ち砕かれたのは。聖のせいで、なんとなくは知っていたが俺まで同じことになり、理想と現実を垣間見たのがあの時期。
頭で奏多を想いながらも、体は欲に勝てず女を抱く。今思い返しても反吐が出る。
今は勿論自制している。短大時代は散々ナンパなどしていた俺だが、理想の奏多が現実となったんだ、自制でも押し込んででも、奏多以外を抱く気にはなれん。
その分を奏多に……。培った知識を生かして、奏多には甘くありたい俺の心。言葉は悪い俺だが、甘く甘く甘やかせたいんだ。