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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第13章 付き合ってみる?
「……巽さん?」
「あぁ、酒だけ置いて片づけてくれ。後は布団もだな」
「布団のほうは、すでに隣の部屋に用意してあります。ではお膳を下げさせて頂きます」
見計らって片づけに来たが、布団はすでに敷いてあるだと? これも聖の差し金か? どこまでも用意周到だ。
片づけ終わるのを待ってから、俺は奏多を抱き上げ布団へと運ぶ。そういえば、あの時もこうだったな。
「浴衣だと帯が邪魔か」
見た目より軽い奏多を、そっと横向きに降ろし、浴衣の帯を解きにかかる。俺も和服は着るが、聖ほどではない。ましてや女物の着物や浴衣など脱がせたことはないぞ? それでも着付け方は熟知しているから解くことは出来る。
シュルと帯を解き奏多を見れば、酒で赤くなった頬……それだけじゃない、体も赤みが指していて、いかにもそそられるじゃないか。このまま抱いてしまいたい衝動を抑えるには……。
「またシャワーか、全く人の気も知らないで」
ホテルのシャワーを使ったのもこのせい、眠る奏多に欲情しそうになり、シャワーで頭を冷していた。こう何度も同じことになると、俺のほうが落ち込みそうになるな。
仕方なしと奏多を置いてシャワーを使う。これで少しは冷めるが、体の芯に残った恋心と欲情だけは冷めない。
「……考えてみれば何年だ?」
シャワーに打たれながら、一番始めに見た奏多を思い出す。聖は五年前かもしれんが、俺はもっと前に奏多に出逢った。