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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第14章 誤解が溶けた愉悦な夜

「なにも知らないと思えば、急にこんなこともする。これが天然と言わずなんと言う? ついでに無自覚だろう奏多」
「無自覚って……。ちゃんと本を見て記憶にあったから……」
「本と実践は違うと分かれ、ついでに男の出したもんを飲むほうが珍しいんだぞ」
「そんなものなの?」
「そんなもんだ」

え? 私の勘違い?
でも飲みたいと思ったんだもの、巽さんの精液を飲みたいって。……結果的に、ちょっと駄目だったみたい。でも考えているよ、無自覚にやったわけじゃないからね。

「普通は高めてくれるだけで十分なんだ。そうしてくれたら、奏多の中に挿入するのも簡単に出来る。
年寄りじゃないんだぞ俺は」
「なんで年寄り??」
「はぁぁ……。年寄りはヌケばいいって概念があるんだよ、体が性欲に追いつかないってやつか? 性欲があっても精力が少ないからヌいて性欲を満たす。……たくっ、なんでこんな説明をしているやら」
「はぁ、私もなにを聞いているんだろう?」
「俺に聞くな」

もう何度目のため息を吐かれたのかな? 私、そこまで変なことを言っているつもりはないけど、巽さんにはため息が出るくらい変なことらしい。

「やれやれ、すっかり興が覚めた。朝まで抱いてやろうと思っていたのに、逆にやられるとは……。絶対に聖には言いたくねぇ」
「あ、私が余計なことをしたから。……ごめんなさい」
「そこで謝られても困るだろ。あぁ、もう布団に入って寝てしまえ、俺も一緒に寝る」

私はポイっと布団に転がされ、隣に巽さんが入って来た。……ほ、本当に寝るつもりなんだ。でも後ろから抱き締められているから、温もりで穏やかに眠くなる。私は逆らわずに、そのまま瞳を閉じた。

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