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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

奏多とは意見が合うこともなく、俺も答えを見つけられぬまま、聖の家に到着した。さて、聖にどこから話すべきか……。
「これ、巽さんの車なんですか?」
「??
あぁ、そうだが」
「あまり見ない車だなと思って……」
「スポーツカータイプは俺の趣味だ。だがこれは普通の国産車だぞ」
「そうなの? 外車かと思った」
聖が乗っているBMWならいざ知らず、俺のは普通のスープラだ。これのなにが引っかかったやら。
奏多の謎の話はともかく、暫くの間は奏多を放して聖と話す必要がある。手伝いに任せておけば、勝手に奏多を構うだろう。そこに心配はない。
「お帰りなさいませ」
「あぁ、客のほうを頼む」
「かしこまりました巽さん」
「あの、巽さんは?」
「俺は聖に用がある、客間で待っててくれ」
奏多を連れて、客間のほうに向かって行くのを見届けてから、俺は反対側の聖の部屋へと向かう。
(反発すると、一番やりにくいからな聖は)
互いが互いに一番よく性格を知っているだけに、俺にすればこんな時の聖は最大に面倒くさい。今日はそんなことを言っている場合じゃないがな。
「聖、居るか?」
「……お帰り。二人でドライブかい?」
「あぁドライブだ。ただし場所は病院だがな」
いつも通り和服で寛ぐ聖。それに嫌み込みで入った俺。勝敗で言えば俺のほうが悪いが、引くに引けないだろう? 奏多のあの顔を見てしまったら。引くわけにはいかないんだ。

