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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

「病院? それは聞き捨てならないね。彼女になにがあったんだい?」
「原因は聖だろ。聖が奏多に生出しした。それで奏多がどれだけ不安で悩んでいたのか気づいていたのか?」
「僕の……。あの時のことを彼女から聞いたのかい巽」
「あぁ、だから病院に連れて行った。……アフターピルを服用させるためにだ」

顔色を変えない聖にイラつくのは、いつものこと。こんな時の聖は綺麗に表情を隠すのを、俺は嫌というほど知っている。

「そう。……僅かな望みだったのだけどね」
「聖はそうかも知れんが、奏多の負担を考えろ。あいつはまだ、俺たちのどちらも選んではいないんだ」
「だからこそ、そんな言葉もあるよ巽」
「抜け駆けはしないんじゃなかったか聖?」
「言ったよ僅かな望みだと。彼女の周期が分からない以上、可能性は20%にも満たない」
「それだけの確率があれば十分じゃないかよ」
「彼女の自由と、巽の約束を破ったのは認めるよ。
でもね、僕としても諦めるわけにはいかない。そのためには巽の上をいく方法を考えなくては、僕に勝ち目はないくらい巽も理解していると思うが?」
「だから強制的にでもモノに出来る生出しかよ。ふざけんな!」

冷静に話す聖に、俺の怒りも増すばかり。毎回こうだ、冷静に俺を説き伏せようとする聖。いつもは引き下がるが、奏多が関わっているんだ、なにがなんでも食い下がってやる。
聖が奏多に、もう二度と生出しなんて真似をしないと確証が持てるまで。

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