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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

こうやって言う聖は嘘は吐かない。いや、俺に対して噂を吐く理由がないんだ。互いに表も裏も知り尽くしているから。俺も少しばかり聖の仕事を手伝う、勿論裏のほうだがな。

「二度とやらないならそれでいい。奏多だけは泣かしたくないんだよ」
「そうだね。彼女に泣かれたら僕も困る。一度と決めたものは二度とやらない、それは約束するよ巽」
「だったら、この話はここまでだ。でもな、もう一つ問題がある」
「もう一つ?」

俺たちの言い争いより、奏多のほうが重要度が高い。時間は今日一日しかなく、週中から休んでいる奏多が出勤しなければ、流石に変に思われるのもまた確か。
幾ら聖が動いていても、庇い切れない部分も沢山あるんだよ。

「奏多だ。家に帰りたがっているが、本当にそれでいいのか?」
「いい悪いで問われれば、悪いと答えるしかないね。今彼女を一人にするのはあまりにも危険」
「だったらどこに匿う? 俺と聖のマンションは避けたほうが無難。手頃な新居を探すにしても、数日のタイムラグが生じる。一度頭が痛いのは、奏多が一時的でも帰りたいと言っていることだ」
「また矢継ぎ早に来たね。
最大の問題は一時的かな巽?」
「あぁ。今のところ俺たちは顔を出せん。数時間でも奏多を一人にさせるのが……な」

もし三科の野郎が見張っていたらどうする? 現状は俺と聖は奏多の家に入るのは遠慮したい。その上で奏多を見守りながら待機するってのが、それなりに苦労しそうなんだ。

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