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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

今の彼女に巽の居場所を知られるのは不味いと思うけど、立地から考えれば巽が住むマンションが好条件。
会社から徒歩五分、セキュリティは高レベル、周辺は街に隣接し買い物等はすぐに出来る。流石に買い物はさせる気はないけれど。
「それだったら聖のマンションだってあるだろ」
「僕のマンションは収入に応じてだから、奏多が住むには合わないよ」
「無駄に高級マンションだからだ」
「社に近く必要だっただけの話。他意はないのだけれどね」
「となると、候補は後二つ。少し会社から遠くなるな、それでも電車で一駅……許容範囲か」
残りは車だと十分ほどの中級マンション、セキュリティ関係は問題ないし、ワンルームタイプもある。ただし駅から駅までの導線、その間に三科が彼女に接触する可能性を秘めている。そこは僕と巽でカバーするつもり。
「今の彼女の家の間取りからして、ワンルームタイプが一番いいとは思う。でも帰りはともかく、朝の出勤は彼女一人になってしまうね」
「……そりゃ『あれ』を同行させろって意味か?」
「察しがいいね巽、それがベストと僕は思うけど?」
「……やれやれ」
『あれ』を使うのは、僕でも躊躇いはある。だけど疑われず彼女に張り付けるのは『あれ』しか居ないのもまた確か。だから巽に言った、『あれ』を使うと。
「仕方ないか、妥協する。
今は待っている奏多だろ? そろそろ出ないと帰りは夜だ、特に俺がな」
「おや? 今日も泊まらないのかい」
「無理な理由を知っているくせに……たくっ」

