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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

◇◇◇
……話は少し戻り……。
「そこから奏多が見えるか聖?」
「見えるね。後は周辺にも注意しないと」
「あぁ、解ってる」
俺と聖はそれぞれの車で待機中。連絡はスマホをスピーカー通話にして、助手席に放り投げながらだ。
「どれくらいの時間で出て来るだろうね?」
「そこまでは俺だって知らん。奏多は必要最小限と言ったんだ、あまり長くはないと思うが?」
「一時間くらいの単位かな?」
「だろうな。今のうちに周辺捜索するか」
「まずは巽からかい?」
「まあな」
スマホをノーマルに戻し、俺は車から外に出た。
閑静な住宅街、人通りも少なく不審者を見つけるという理由なら、もってこいの場所だと思う。
(少し歩いて見るか)
聖を車に残しているのは、もし奏多の家に誰かが来るのを確認するため。
一人が残り、一人が捜索、いい連係プレーだろ?
(そこまで隠れる場所はないか。アパート周りは緑ってのも効果している)
余裕ある作りなのか、アパートの周りは花壇などの緑が置けるスペースがふんだんにありながら、背の高い木々などは少ない。この場所に隠れるのは無理と判断。
(となると、緑の向こうか道路を挟んだ反対側)
あくまでも、奏多が出入りするのが見える範囲内で、人が隠れられそうな場所。素知らぬ顔で歩きながらも、俺は注意深く観察はしているんだぞ。
(……? あれは……)
俺が想定した、道を挟んだ反対側の個人住宅。その敷地の外に佇むように誰かが居る!

