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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第15章 社長息子と社長息子のバトル?

今の俺が近づき過ぎるのはリスクが伴う。奏多がアパートに居ないのと、俺たちとは無関係を貫きたいがため。だからこそ、こうしてコソコソやってんだ。
俺は気づかれないように、見ている反対側から回り込む。
(……やはり三科か。ここまで予想が当たると反吐が出るな)
今のところ、なにかをする様子はない。奏多がアパートに帰っているのを見ているはずなのに動かないんだから様子見か?
(とりあえず聖に話したほうがいいだろう)
そっと場所を離れて、車に乗り込む。スマホは通話状態を維持しているんだ、俺が車に戻ったのを聖は理解しているはず。またスピーカー通話に戻し、俺は聖に話しかけた。
「居たぞ三科が」
「居たんだね。その割りにはなにもしない」
「アパートを挟んで反対側の個人住宅辺りに隠れているんだ、奏多がアパートに入ったのは見ている」
「それなのに……ね」
暫く黙り込む聖、多分になにかを考えているはず。
周到な聖なんだ、すぐに手を出して来るさ。
「なにか思いついたか?」
「まあね。暫く車を開けるよ。見張りのほうを頼む」
「なにを考えたんやら」
「適当な人海戦術……かな?」
「???」
「すぐ戻るよ」
ちっ、一度通話を切りやがった。俺が車を停めている場所からは、聖の車は見えない。敢えて奏多の家がギリギリ見える場所にお互い停めているんだ、見えるわけがないだろう?
「まぁ聖だからな。俺たちだとバレないやり方をするよな」

