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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第16章 聖の本気

「本当にもう終わるから、もう少しだけ待っていて?」
締めの作業に入っているようなので、私は使ったカップとかの整理に回り、三十分ほどで会社の外に出ることが出来たの。これでも一~二時間早いのよ。
「ますばお腹が空かないかい?」
「それはまぁ遅い時間ですし」
「リクエストはある?」
「いえ、聖さんに任せます」
「そう。どこがいいかな?」
聖さんの車でやって来たのはイタリアンレストラン。これは私的には意外だわ。
「気に入らない?」
「そんなことは……。ただ聖さんだから、和食ばかりだと思った」
「基本的になんでも食べるよ。和食なのは家中心だね。さ、入ろう奏多」
優しい仕草で私を促す聖さん、紳士的で社交性も豊か。その柔らかい物腰と一緒で、私を華麗にエスコートするの。これだもの高嶺の花と呼ばれるわけだよね。
選んだのはスタンダードなコース料理、聖さんは車だからお酒は飲めないので、私もソフトドリンク選択。コースはどれも美味しい物ばかり、前菜のサラダ、パスタ、リゾット。メインは魚をチョイス、そして小振りのピザ。普通なのに味は最高。後で知ったけど、有名シェフが開いた人気店だったのよ。
「量も計算されていて食べやすいね」
「これなら私でも食べられますから」
「……毎日外食は飽きるかい?」
「……え?」
「多分自炊だと思うから。
そうそう、明日新しいマンションに行けるよ」
「本当!」
「前の奏多の家から、荷物も搬入させている。どうしても取り替えなければならない物はあったけど、極力前のままの状態で入れて欲しいと発注しているから、同じく生活が出来ると思うよ」

