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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第16章 聖の本気

「凄い豪華なマンション。私、使いこなせるかな?」
「何事も慣れだね。慣れればさほど不自然とは感じなくなるよ、僕たちもそうだから」
「聖さんもですか?」
「離されていた時は、最低限の使用人は居たけれど、自分のことは自分でやるのが方針だったから、掃除から料理まで一通りややっているよ」
「意外、全部やってくれていたと思ってました」
「今はそう見えるよね」
また優しい目付きで、面白そうに笑う聖さん。その辺りは苦労知らずのお坊ちゃんかと思っていたのに、凄く躾が厳しい家だったんだ。子供の頃の教育や躾って、大人になっても残る。厳しいかも知れないけど、そんな躾があったから、聖さんはなんでも一人で出来るんだね。
「さぁ、次に行こうか」
「次?」
「マンションは明日。今日は僕が行って見たい場所があるのだけど、奏多は付き合ってくれるかい?」
「聖さんの? ……はい」
聖さんの行きたい場所、凄く気になるでしょう。
普段というより、ここ数日はこうして夕食を一緒に食べてからホテルに送ってくれた。だけど今日は、ちょっと違うみたい。
店から出て、車は爽快に湾岸線を走る。私もこっち側には来たことがないので、見える夜の海とライトアップされた街の光が綺麗だなと、車の中から眺めているの。
「夜の景色が好きかい?」
「初めてだから……。街の光が海に反射して綺麗」
「そうだね。都会の幹線道路でしか見れない景色、奏多に気に入って貰えてよかった」
「聖さんは、よく走るんですか?」
「いや。僕も久し振りにこっちに来たよ」

