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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第16章 聖の本気

「でも聖さんの行きたい場所……」
「僕一人では行けない場所かな? どうしても奏多と一緒に行って見たくなったんだよ」
「この先といえば……」
思いつくのは、複合施設や夜まで営業しているアミューズメントパークの密集地。かなり広いって聞いているけれど、私は一度も行ったことがないし、ましてや聖さんが行くとも思えない。
「気づいた? 僕だって行って見たいとは思うんだよ奏多」
「私も行ったこどがないから」
「じゃあ、二人で楽しもう」
「……はい!」
続く道を走れば、この辺りは若者たちが集まる夜の遊び場。駐車場に車を停め、聖さんはスーツのジャケットとネクタイを車に放り込み、替わりにラフな上着を羽織って、夜の街に遊びに出たの。
「イルミネーションが凄い!」
「割りと光を取り入れている施設が多いね、人工の光の渦も悪くないかな?」
「夢の中に居るみたい!」
ついはしゃいでしまう私の手を、聖さんはしっかりと握る。手を繋いだままウィンドウショッピングを楽しむ私たち。でもね、私が少しでも気になった物を、聖さんはすぐ買ってくれるの。『そんなつもりじゃない』と何度も言ったんだけど、『僕がやりたいからやっているだけ』なんて言って譲ってくれない。
いつの間にか、両手にあまるほどの買い物袋をぶら下げて、それでもまだ街を歩く。あ、荷物は途中で宅配に出したよ、聖さんが流石に邪魔と笑いを堪えていたのが、少し新鮮な感じ。

