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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第16章 聖の本気

ゆっくりと、ゆっくりと、私と聖さんを乗せた観覧車は頂上へと登る。少しずつ広がる街の明かり。早く一番上からこの景色を楽しみたいと、私の心の中はドキドキとワクワクがいっぱい。

「くすくす。ご執心だね」
「だって明かりがドンドンと広がっていくの。登れば登るほと、広く明るく増える光」
「本当に綺麗だね。でも、僕も居るんだよ奏多?」
「あ……ごめんなさい」

景色に夢中で、ちょっとだけ聖さんのことを忘れていた私。ごめんなさいという気持ちで聖さんのほうに振り向けば、すぐに腕を取られ抱き締められてしまった。

「このままでも夜景は見える」
「それはそうですけど……聖さん?」
「仕事が忙しくて、奏多に触れられなかったのが辛かったよ僕は……」
「あ……ん……」

顔が近づいて来て合わさる唇、でもここは観覧車の中といえども外! それに他の人に見えてしまわない?

「外……なのに……」
「気にしないと言ったよね? 奏多となら、誰に見られても僕はなにも思わない」
「でも誤解されたら」
「誤解じゃないよ、これが僕の本心。……愛している奏多……」

深くなるキス。私の頬を優しく撫でながら、聖さんの舌が私の唇の隙間から口内へと進む。確かめるように歯列をなぞられ、静かに絡んでゆく舌と舌。私も確かめるように、聖さんの舌に絡めるの。……だって互いに求め合うことが大事、それが分かったから。

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