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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第17章 巽の本気
◇
「おっはよー奏多!」
「……おはよう朝陽」
家が替わった次の日の朝。
なんとか眠ることは出来たけど、どことなく違和感バリバリ。あれから自分用に模様替えをするのが大変だったんだから。
「な、なんか朝から凄く疲れてない?」
「んー疲れているかも。
遅くまで模様替えをしていたんだよね」
「それって平日やる?」
「なんとなくやりたくなったから。でもやり始める終わらない」
「なんか奏多らしいというか、無茶というか。明日は休みなんだから、それからでもよかったでしょう」
「そうも思ったけど、なんとなく……」
マンションも、会社から一駅というのは変わらなく、電車から降りると朝陽に合うのは同じ。こうして歩きながら話すのは、心が軽くなるみたい。……半分は昨日の愚痴だけどね。
「だけど奏多、いいの?」
「いい? なにを??」
「ひ じ り さ ま 。
どれだけ噂になってると思ってんのよ!」
「はぁ、噂って言われても……」
やっぱり噂は流れるもので、聖さんが私を毎日部屋に呼びつけているという噂が、社内中に飛び交っているの。聖さんは気にしなくていいと言うけれど、私のほうが気になるでしょう?
それに、熱烈の聖さん信者たちには敵視されるし、この数日別の意味で逃げ回るのに苦労しているわけ。
「社長息子なんて面倒なだけじゃん! 奏多が聖様にそこまで関わるなんて思わなかったわ」
「朝陽は見てたくせに」
今になって言うの? あの時は聞かないでくれて助かったのに、朝陽の噂好き再来。